導入|なぜ、このイベントを作ったのか
先日、クライストチャーチで昨年に次ぐ「第2回日本人サッカー教室」を開催しました。
僕と同じリーグでプレーする日本人選手を男女合わせて8名集め、地域の日本人の子どもたちと一緒にボールを蹴る——そんなイベントです。
規模は大きくありません。でも、このイベントを作ろうと思ったのは、ずっと前から感じていたあるすれ違いに気づいたからです。
海外でサッカーをしている日本人選手には、応援してくれる人が少ない。そして、クライストチャーチで育つ日本人の子どもたちには、海外で戦っている日本人の姿を間近で見る機会がない。
そして何より、クライストチャーチに住む日本人の子供達に「世界で戦うこと」や「日本で育ってきた文化の違い」などを肌で体感して欲しかったです。
開催まで
選手コーチの予定がなかなか合わず、今年は正直開催は厳しいかもしれない。そんなふうに諦めかけていました。
そんな事情から開催が決まったのは約10日前。あまり参加者は多く望めないだろうと考えていました。しかし嬉しいことに、気がつけば30人以上の申込をいただき当日は30名の子供達が参加してくれました。
30人もの子供達が参加してくれるなら選手コーチももっと集めないといけない!必死になって声をかけまくりました。笑
前日に仕事を調整してくれたりと、結果的に8人のコーチに協力してもらい本当に感謝しています。
当日の様子
多くの子供達の笑顔を見れたこと、海外で活躍してきた日本人選手から必死でボールを奪おうとしている姿、アドバイスを真剣に聞いている姿。
何もかもが美しかったです。
個人的には、「現役選手と子供たち」という構図だけでなく、「5歳から15歳まで子供達が年齢関係なく」ボールを追いかけパス交換している姿がとても感慨深かったです。
天気にも恵まれ、周りで見守ってくれていた保護者の方々、何より子供達が楽しそうに帰っていく姿が見れたので、このイベントは大成功だったと振り返っています。
選手たちにとっての意味|応援されることの力
海外でサッカーを続けることは、想像以上にエネルギーがいります。
言葉の壁、文化の違い、日本に残した家族や友人との距離。それでもボールを蹴り続けているのは、サッカーが好きだからです。多くの選手にとって、それだけが理由です。
そんな選手たちが、この日は日本語で「すごい」「かっこいい」と言ってもらえる場所に立ちました。
応援されるということ、必要とされるということ。それがどれだけ力になるか、言葉にするのは簡単ではありません。しかし、海外でプレーしていく上で現地の日本人の子供達から応援してもらえることはかなり大きなパワーになることは間違い無いです。
海外で戦う日本人選手にとって、地元の日本人コミュニティとつながることは、サッカーを続けるための見えない燃料になります。このイベントは、そのことをあらためて証明してくれました。
子どもたちにとっての意味|海外で生きている日本人が、目の前にいる
クライストチャーチで育つ日本人の子どもたちは、日本語を話せても、日本のサッカー文化を体で知っているわけではありません。
日本でボールを蹴るとはどういうことか。厳しい練習、チームの空気、勝負へのこだわり。そういったものを肌で感じる機会は、海外生活の中ではなかなか訪れません。
でも同時に、この日の選手たちは今、ニュージーランドで生活しています。英語で戦い、異文化の中に飛び込み、それでも自分のスタイルを持ってピッチに立っています。
日本でサッカーをしてきたこと、そして海外に出てきたこと。その両方を持っている大人が、子どもたちの目の前にいました。
世界で活躍している日本人がたくさんいること。海外で生きることは、決して特別なことではないこと。それを言葉ではなく、存在そのもので伝えられたと思っています。
もし「自分もいつかああなれるかもしれない」と思った子が一人でもいたなら、このイベントの意味は、それだけで十分です。
おわりに|この場所を、続けていきたい
多くは開催できないこのイベント。しかしこれからも必ず実現していきます。
選手と子どもたちをつなぐ場所は、クライストチャーチにもっとあっていい。自分がいたオーストラリアやスペイン、そして他の国のコミュニティを見てそう思っていました。
日本人同士がサッカーを通じてつながることで生まれるものが、確かにあります。それはコーチングでも育成理論でもなく、もっとシンプルな何かです。
同じ言語を話し、同じ文化を背負い、それぞれの場所で生きている。そのことを確かめ合える場所を、これからも作り続けていきたいと思っています。
