28. 「上手くなる選手」に共通する2つの特徴 〜日本とニュージーランド、指導現場から見えたこと〜

サッカーが上手くなるために、技術練習はもちろん大切です。でも、僕がこれまで日本・スペイン・オーストラリア・ニュージーランドでプレーし、そして今Glocal Footballでたくさんの子どもたちを指導する中で気づいたのは、技術以前に「上手くなる選手」には共通する特徴があるということです。

それは、「自分で考えられる」ことと、「チャレンジし続けるメンタリティ」を持っていること。この2つです。

国が変われば練習環境も、コーチの接し方も、驚くほど違います。でも面白いことに、どの国でも「伸びる選手」を見ていると、結局この2つに行き着くんです。今日は僕自身の経験を交えながら、この2つの特徴についてお話ししたいと思います。

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1. 自分で考えられる選手

「自分で考えられる」とは、自分のプレーやチームが勝つために何をすべきかを、自分の頭で考えて行動に移せることです。

日本でプレーしていた頃、厳しいコーチのもとで「コーチの指示を待つ選手」になってしまう子をよく見かけました。もちろん、これでコーチに怒られることはありません。むしろ「言うことを聞くいい子」に見えることもあります。でも、指示を待つことに慣れてしまうと、本当の意味での成長は止まってしまいます。そして何より怖いのは、環境が変わって「何も言ってくれないコーチ」のもとに移った瞬間、突然何もできなくなってしまうことです。

ニュージーランドでは、こうした「指示待ち」の選手はあまり見かけません。コーチが逐一指示を出すというより、子ども自身に考えさせる場面を意識的に作っていることが多いように感じます。

これは家庭でも意識できることだと思っています。試合の後に「なんであそこでシュートしなかったの?」と聞くのではなく、「あの場面、他にどんな選択肢があったと思う?」と問いかけてみる。答えを教えるのではなく、考える機会を与える。それだけで、子どもは少しずつ「自分で考える選手」に近づいていきます。

2. チャレンジし続けるメンタリティ

もう一つの特徴は、ミスをした後にもう一度、積極的にチャレンジできるかどうかです。

失敗したときにチームメイトやコーチ、プロの世界なら観客からも厳しい声が飛んでくる。そんな環境の中でも、ミスを恐れずにチャレンジし続けられるか。これは選手にとって本当に大きな分かれ道だと感じています。

僕自身の経験でいうと、ニュージーランドは日本に比べて、ミスをしても「Bad luck」の一言で済まされることが多く、挑戦しやすい空気があります。これはとてもいいことです。ただ、同時に思うのは、こうした「優しい環境」だけでなく、プレッシャーのかかる大舞台に立ったときにも、そのメンタリティを変わらず保てるかどうか。ここに大きな差が出ます。

僕がこれまで見てきた中で、成長が早い選手には共通してこのメンタリティがありました。ミスを恐れて縮こまるのではなく、「次も同じ場面が来たら、また挑戦する」という姿勢を崩さない選手です。

国が違っても、行き着く先は同じ

日本とニュージーランド、指導の文化もコーチとの距離感も、正直まったく違います。それでも「上手くなる選手」を見ていると、最終的にはこの2つ、「自分で考える力」と「チャレンジし続けるメンタリティ」に行き着きます。これはおそらく、国や文化を超えた普遍的な真実なんだと思います。

親御さんへ

技術指導はコーチの役割ですが、この2つの特徴、特に「自分で考える力」は、実はご家庭での関わり方が大きく影響します。「教える」のではなく「問いかける」こと。この小さな積み重ねが、お子さんの成長スピードを大きく左右します。

Glocal Footballでは、この「考えられる選手」を育てることを何より大切にしています。そのために僕たちが意識しているのが、「WHY」の問いかけです。

ミスをしたプレーに対して「なぜそうなったのか」を考えるのはもちろんですが、実はもっと大事なのが、うまくいったプレーに対しても「なぜうまくいったのか」を考えることです。結果オーライで終わらせず、成功の理由を自分の言葉で説明できるようになると、その成功を偶然ではなく再現できる引き出しに変えることができます。これができる選手は、ミスからもうまくいったプレーからも、両方から学び続けられる選手になります。

ただ、育成年代の子どもたちにいきなり「じゃあどうすればよかったと思う?」と聞いても、実はなかなか答えが出てきません。それは、材料も知らないのに「新しい料理を作ってみて」と言っているようなもので、そもそも考えるための「材料」がなければ、考えようがないからです。

そこでGlocal Footballでは、考えるためのヒントとなる材料として、「個人戦術」というサッカーの基礎を教えています。個人戦術とは、ボールを持っている時、味方が持っている時、相手が持っている時、それぞれの局面で何を判断材料にすればいいのかという、いわば”考えるための引き出し”です。この引き出しがあって初めて、「WHY」の問いかけにも自分なりの答えを出せるようになります。

技術と、考えるための材料と、それを引き出す問いかけ。この3つが揃ったとき、子どもは本当の意味で「自分で考えられる選手」に育っていきます。ぜひ一度、Glocal Footballの練習を見に来てください。

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